満点の星空を比較明合成に挑戦

星空軌跡

冬はスキー場、夏はラベンダーパークとして営業している群馬県沼田市のたんばらスキーパークですが、星空の撮影にも絶好のスポットです。

 

ベストな撮影時期

夏のラベンダーパークが終わり、スキー場の営業がはじまるまでの期間は、空も高く、星空撮影にはとても適した期間となります。ホントは、スキー場の営業が終わるゴールデンウィーク以降で、ラベンダーパークが営業を開始するまでの初夏のころは、射手座があがってきますので、天の川の撮影もできる季節となります。星空撮影にはオススメの時期ではあるのですが、お天気が安定しないため、晩夏といいますか、初秋のころのほうが空気も澄んで、お天気も安定するため、撮影には適した季節となります。なお、たんばらスキーパークはスキー場ですから、標高が高いので、夏でも夜は寒くなります。夏場でもバッチリ防寒して撮影に挑みましょう。

 

D5300で星空撮影

今回はエントリーモデルのD5300を使い、理科の教科書に出てくるような星空のグルグルを撮影してみました。レンズはトキナーのAT-X 116 PRO DXⅡという11-16mmの広角ズームレンズを用いました。このレンズ、解放F値が2.8と明るく、DXフォーマット専用のレンズということでさほど高くもなく、一本持っていると、いろいろなことに使えるので、DXフォーマットのカメラで星などを撮影される予定のある方は、買っておいていいレンズかと思います。使うのは11mmの広角端のほうを使います。ほかのメーカーのカメラについてはよくわかりませんが、ニコンのデジタルイチガンですと、おそらくすべてのカメラにインターバルタイマーという機能がついています。この機能を用い、星のグルグルを撮影します。

 

インターバルタイマーとは

インターバルタイマーとはざっくりいうと、何秒間隔で何枚シャッターを切るかという設定ができる機能です。星に限らず、夜景の撮影のときとかにも使う設定なので、撮影のスタイルとして、覚えてしまいましょう。そもそもナゼ、インターバルタイマーを使って撮影するのかというと、通常星空や夜景を撮影する場合、露出の時間がどうしても長くなります。星の光は淡く、短いシャッタースピードですと、写真に写すことができません。とはいえ、30分も1時間もシャッターを開けっ放しというのだと、白飛びが気になってきます。フィルムカメラの時代は一発勝負の撮影だったのですが、カメラもデジタル化されて、撮れた写真をその場で確認ができるため、ピントが合焦しているか、キチンと写っているかなど、撮影直後に確認することができ、OKであれば、その設定で、たとえばシャッター速度30秒で連続100枚撮影するとかして、これをつなぎ合わせることにより、星の軌跡やクルマの光跡を作り上げるという手法を撮ることで、白飛びを怖がらずにキレイな光跡を作り上げることができます。最新のカメラですと、高いISO感度を設定できるため、ISO感度を51200とかに上げて撮影すれば、写らないことはないと思うのですが、ノイズが心配になってきます。ちなみにD5300の常用ISO感度は12800までです。

 

星空撮影の設定方法

  1. マニュアルモード、マニュアルフォーカス
  2. ISO3200、SS30”
  3. F値は解放

星空撮影の設定は上の3ステップだけです。
 
マニュアルモード

トキナーのAT-X116 PRO DXⅡには手ブレ補正機構がありませんので、クラッチをMFにすれば済むのですが、手ブレ補正機構を有しているレンズを使用される際は、それもオフにしてください。
 
マニュアルフォーカス
 
長時間露光すると手ブレ補正機構が誤作動する恐れがあるそうです。星空や夜景を撮影する場合、上述の通り、シャッタースピードが遅くなりますので、カメラを固定するために、三脚が必要となります。カメラとレンズ(とホントは雲台も)の重さより、三脚の耐荷重量が大きくないといけません。今回私が使用したD5300はボディが小さく軽量なのですが、トキナーのAT-X116 PRO DXⅡがボディと同じくらいの重さがあるので、全体としてはかなり、ずっしりしたかんじになります。私個人的には3WAY雲台推しですが、自由雲台のほうがカメラを空に向けるため、自由度が高く便利なのかもしれません。いずれにせよ、カメラ+レンズ(とホントは雲台も)<三脚の耐荷重の式に当てはまる三脚を選ばないといけなくなります。三脚選びは非常に悩ましい問題で、どれを買えばいいのか?どう選べばいいのか?みなさま、大変困っていらっしゃると思います。カメラをFXに買い替えても大丈夫なくらいのものを最初から選んでおくと、私のように三脚沼にハマらずに済むのですが、価格が10万くらいするものもあり、懐事情にも影響のあるものですので、できれば、家電量販店の三脚売り場の方に一度お話を聞いてみるといいと思いますが、「近くにそんなのないよ」という方もいらっしゃると思いますので、アマゾンなどの口コミを参考に選ばれるといいかもしれません。ちなみに今回の撮影で使用した三脚はマンフロットのBefreeというカーボンファイバー製の三脚です。素材がカーボンなので、ちょっと高いのがネックですが、携行性に優れ、とてもいいと思います。現在販売されているのは、私が持っているものより新しくなったBefreeです。耐荷重も私が持っているものより大きくなっているというか、倍増しているので、これだと、FXのカメラとレンズの組み合わせでも十分いけるのではないかと思われます。
 

 

ご注意
今回使用したD5300にはありませんが、ニコンのほかのカメラというか、上位モデルのカメラにはフォーカスモードセレクターというレバーがついています。マニュアルフォーカスで撮影する際は、必ずフォーカスモードセレクターをMF側にしてください。故障の原因になるそうです。MFのままにしておいて、いざ、AFで撮影しようとすると、モーターの変な音がしたりするので、フォーカスモードを切り替えるときは、必ずフォーカスモードセレクターも切り替えるように習慣づけましょう。

 

ピント合わせにはご注意を

星空の撮影でイチバン難しいのがピント合わせです。ファインダーをのぞいてもほぼ、視認することはできません。ということで、まずファーストステップとして、ピントリングを無限遠のところにキチンと合わせましょう。これで撮影してみて、撮れた写真を再生し、拡大鏡を使って大きくして、点になって撮れていたらOKです。ぼやけていたら、ピントリングを少しずつ動かして撮影し、ライブビューにして再度確認してみてください。少し時間がかかりますが、点になるポイントがあるはずです。点になるポイントが見つかったら、そこでもう一枚撮ってみて、拡大鏡を使って再生し、キレイに写っているかどうかを確認します。この作業がけっこう大変だったりします。ホントはファインダーをのぞいて、もしくはライブビューで大きな星をとらえられると、ピント合わせが非常にラクなのですが、ファーストステップでやった、無限遠のところにキチンと合わせるというのも実は難しくて、ピントリングを回していると、無限遠を通り越して、さらに先に行ってしまいます。明るい時間帯に現場に到着できるのであれば、あらかじめピントを合わせておくといいと思いますが、暗くなってから時間帯に現場に入る場合は、ほかの撮影者の迷惑にならないように、赤灯のつくヘッドライトなどでカメラを照らすようにしましょう。赤灯のつくヘッドライトは夜景の撮影のときにも使えますので、一個くらい持っていてもジャマにならないと思います。

 

インターバルタイマーの設定方法

インターバルタイマーは撮影メニューから呼び出します。D5300のメニューボタンを押して、インターバルタイマー撮影を選択します。開始トリガーで十字ボタンの右ボタンを押し、撮影間隔を設定します。

D5300メニュー

撮影メニュー

考え方としては、シャッターから次のシャッターまでの間隔を設定するので、たとえばシャッタースピードが30秒であれば、ここは30秒プラスアルファで考えます。私はこのインターバルを3秒、つまり、このケースですと33秒くらいにして撮影することが多いでしょうか?

撮影間隔

やったことがないのでわかりませんが、2秒、つまり32秒であればたぶん大丈夫かと思います。1秒、すなわち31秒だと、もしかするとシャッターが切れないかもしれません。安心を担保するために私はちょっと長めにインターバルを撮っています。さらに十字ボタンの右を押して、撮影回数を決めます。

撮影回数

撮影開始

シャッタースピードが30秒の場合、インターバルも含めると、約1時間かかります。真夏の夜でも、標高の高いところではかなり寒くなりますので、しっかりと防寒するのと、寒いという心づもりを持って撮影に挑みましょう。撮影枚数を決めたら、十字キーの右ボタンでさらに進み、開始という表示が出てくるので、ここで開始をすると、インターバルタイマーが動きます。インターバルタイマーがはじまると、終わるまでなにもできません。ピントが気になったり、構図が気になったりと、撮影を中断するには、電源をオフにするしかありませんので、このあたりは撮影を開始する前に最終確認をしましょう。あと、記録方法ですが、JPEGとRAWの両方で残したほうが、のちのち加工したりするときにも便利ですので、32GBくらいのSDカードをご用意なさると十分に撮影できるかと思います。

 

比較明合成する

うまく撮れると、こんな写真が100枚撮れているはずです。

20140920-DSC_3489.jpg

これを比較明合成するのですが、Macユーザーの私はStarStaXというフリーのアプリを使います。使い方はカンタンで、撮影した100枚のJPEGファイルをStarStaXに放り込むだけ。あとはアプリが勝手に比較明合成してくれます。AdobeのPhotoshopを使う方法もありますが、100枚のファイルをひとつずつ比較明合成していくとかなり心が折れます。Windowsについては調べていませんが、なにか専用のアプリがあるのだと思いますので、探してみてください。

20140920-Untitled2.jpg

 

まとめ

たんばらスキー場は東京から2時間ほどで行くことのできる撮影スポットなので、ほかの撮影者の方もいらっしゃると思います。マナーを守り、防寒対策をしっかりとして、撮影をお楽しみください。きっといい星空に出会うことができますよ。

 

 

 

 

 

 

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