ワタシが使っているニコンのD850の特性のひとつとして高速連写機能があります。D850本体だけですと毎秒7コマ、バッテリーグリップMB-D18を使うと毎秒9コマ撮影が可能です。この連写性能を利用して、ウォータークラウンの撮影をしてみました。
XQDカードが必要
以前、ウォータークラウンを撮影したときに使ったボディはDXフォーマットのD7200です。D7200は毎秒6コマということで、数字上ですと、D850と大差ないコマ数を撮ることが可能なのですが、問題は記録メディア。ワタシが使っているTranscendのSDカードですと、最初はいいのですが、あとのほうになってくると、カメラの連写性能にSDカードの書き込みスピードが追いつかず、途中で撮影ができなくなってしまい、美味しいところで、シャッターが切れなくなることもしばしば。復活するまでにちょっと時間を要します。それに対しD850はXQDカードを使うことができるため、かなりの時間、高速でシャッターを切りつづけることができます。書き込みのインターバルも早く、すぐ復活するため、ストレスなく、撮影をつづけることができます。ただし、XQDカードは現状、ニコンが使っているだけで、製造元のソニーでは業務用のビデオカメラでは使っているようですが、ふつうのカメラではSDカードが使われており、非常にマーケットが小さいため、値段も高価だったりします。ちなみにニコンのミラーレス一眼レフカメラZ7、Z6はXQDカード専用機でスロットはひとつしかありません。ただし、ファームウェアをアップすることにより、CFexpressカードも使うことができるということで、現状では同じくらいの値段ですが、将来的には少し安価に入手ができるようになるのかもしれません。CFexpressカードはニコンのD6やキヤノンのEOS-1D X Mark Ⅲにも使われているということで、XQDカードよりは未来があるように見えます。なお、高速連続撮影の注意点として、いっぺんにすごい数のシャッターを切るため、記録メディアがすぐにいっぱいになってしまうというデメリットがあります。残り何枚撮れるのかを気にしつつ、撮影するといいと思います。途中で、NASへデータを移したり、カメラでダメなものを削除したりしながら撮影するといいかもしれません。
撮影に必要な機材および道具
ウォータークラウンを撮影するに際し、必要な道具はカメラ周り以外はすべて100均でそろいます。ということで、機材および道具は以下です。
- ボディ(今回はD850)
- レンズ(今回はタムロンのSP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2)
- 三脚(今回はマンフロットのBefree)
- レリーズ(ニコンMC-36A)
- XQDカード(今回はLexar Professionalの64GB2933×)
- クリップオンストロボ(今回はニコンのスピードライトSB-700)
- 青い画用紙(100均)
- 透明のお皿(100均)
- 口の広いカップ(100均)
- ティースプーン(100均)
①〜⑥はカメラ周り、⑦〜⑩はウォータークラウンを撮影するにあたり必要な道具です。この道具はすべて近所のキャンドゥで買いました。お水を張った透明のお皿の下に青い画用紙を敷きます。そうすると、ウォータークラウンが見やすくなります。撮影してみてわかるのですが、ティースプーンですと、水を落とすときに、均一な量を落とすことが難しく、落とす量が大きいと、お水が水面に着水した瞬間、ウォータークラウンが崩壊してしまい、キレイなクラウンを作ることができません。園芸用の注射器みたいなものとか、アクアリウムをやっている方なら持っているスポイトとかそういったものがあると、少量で均一な量のお水を落とすことができるので、コチラを使ったほうがよかったかもしれません。ワタシはキンギョを飼っているので、スポイトはあったのですが、キンギョに使っているスポイトをコップに入れるのに抵抗があり、今回はスポイトは使わず、ティースプーンで代用しました。そのため、わかってはいるのですが、なかなかいい写真が撮れない原因ともなりました。
設定方法
透明なお皿に水を薄く張り、カメラはお皿に対して斜め上から撮影できるようにします。角度でいうとどのくらいでしょうか?30度くらいなかんじですかね?お皿よりレンズが10cmくらい高い位置にありました。ホントはもう少しお皿に対して水平にしてあげられるといいのですが、家具の位置とかの関係で、コレがいろいろと難しく、ワタシの場合は、ちょっと鋭角になってしまいました。できればちょっとお皿をとレンズを離して、望遠気味に撮るといいかと思います。
- マニュアルモード、マニュアルフォーカス、手ブレ補正オン
- レリーズモードはCHに
- ISO100、感度上限制御12800、F11、SS1/8000
- フラッシュ撮影同調速度を1/250秒(オートFP)に
ナゼ、レンズとお皿を離したほうがいいかというと、お水がお皿に落ちるときにお水がはねて、飛び散り、レンズに付着するのです。鏡筒につくのもイヤですが、レンズにつくと、いちいち拭き取らないといけなくなるので、面倒です。なので、お水がはねてもレンズにつかない程度にレンズとお皿は離さないといけません。レリーズモードはCH、つまり、高速連写モードですね。シャッターが速いので、ISOで明るさを調整します。ノイズを恐れず、ある程度あげてしまっても大丈夫だと思います。絞りはある程度全体的に合わせたいので、F11を選びましたが、できあがった写真を実際に見てみると、もう少し絞ったほうがよかったのかもしれません。ちょっとボケたりしました。また、今回使ったストロボはオートシンクロができるので、1/8000秒という速いシャッタースピードでもピカピカと常にフラッシュを発光してくれるので、室内の撮影ですが、わりと明るさは担保することができました。
失敗作
ピントがキチンと合っていないのと、キレイに王冠になっていません。波紋はキレイに出ているのでもったいないのですが、タイミングがキチンと合わないと、こういう写真になってしまいます。
撮ってみる
先にも述べましたが、今回はSDカードを抜いて、XQDカードだけで撮影しました。ファインダーを覗いて、しっかりピントを合わせて、撮影に挑みましょう。私は、マルチパターン測光で撮影しましたが、中央部分重点測光のほうがよかったかもしれません。ホントは、スポット測光を選びたいのですが、同じ場所にお水を落とすというのが非常に難しいのです。ですので、測光はカメラに任せましたが、お水を落とす場所をピタリと合わせることができるのであれば、スポット測光を選んだほうがいいと思います。片手にレリーズ、片手にティースプーンということで、カップからお水をティースプーンで掬い、スプーンを優しく傾けながら、薄くお水を張ったお皿にお水を落としていきます。上で述べたとおり、スポイトとかでやると、かなり成功率が上がるかと思います。スプーンですと、やはり、いっぺんに落ちる量が多く、クラウンを崩壊させてしまいます。ここがちょっとしたポイントになりますので、ここを丁寧にやると、キレイなクラウンを作る成功のポイントになると思いますので、ゆっくりやりましょう。お手伝いしてくれる助手がいると、さらにラクになると思います。レリーズのシャッターボタンを押しつづけますが、XQDカードを使うことで、ある程度長い時間シャッターボタンを押しつつづけることができます。一度にたくさんの写真が撮影されるため、なんどか撮影したら確認の意味も含め、写真の確認をしたほうがいいともいます。これをすることにより、XQDカードがいっぱいになることを防ぐことができます。
まとめ
ひとりでやるとかなり地味な撮影ですが、撮れたときの感動はひときわです。今回は全体で2時間ほど撮影しましたが、XQDカードをなんどかいっぱいにしてしまいました。SDカードに比べると、書き込みも速いため、復活も早く、かなりの枚数を撮影することができます。SDカードで撮影するより、ストレスなく撮影することができますので、確認するのも大変ですが、成功率は格段に上がると思いますので、みなさまもぜひ、チャレンジしてみてください。